Speaker
Erick Gushiken
(Tokyo Metropolitan University)
Description
ハドロンの束縛状態や散乱を調べるためにハドロン間の相互作用をポテンシャルとして扱う。強度が実数のポテンシャルを用いると束縛状態を扱うことができ、その固有運動量は複素運動量平面に解析接続された散乱振幅の極として表される。しかし殆どのハドロンは不安定であるため、ポテンシャルに虚部を入れると束縛状態に幅が生じることを利用し複素ポテンシャルを用いて解析を行う。
本研究ではポテンシャルの実部を変化させた時の散乱振幅の極の軌跡について、ポテンシャルに虚部を入れた時の影響を調べる。また、数値計算から厳密に得られた極の値と有効レンジ展開で見積もられた値を比較し、有効レンジ展開の妥当性とその性質について議論する。