Speaker
Akinori Higashi
(RCNP Osaka University)
Description
ハドロン相互作用におけるグルーオンの果たす役割は不明な点が多い。ϕメソンと核子の相互作用ではグルーオン交換が支配的である。したがって、ϕn 相互作用への理解はグルーオンに対する理解を深める。現在 ϕn 相互作用について、3つのグループが矛盾する結果を主張しており、強いか弱いかもわかっていない。この状況を打破するために、E45実験で ϕn の閾値近傍での全反応断面積の測定を計画している。閾値近傍における π- p→ϕn 反応の全反応断面積を ϕn 散乱の影響を考慮した散乱方程式で計算した。このとき、低エネルギーの散乱パラメータを変化させ、全反応断面積の入射粒子 π^- の運動量依存性を調べた。本講演では、ϕn 相互作用の現状と閾値近傍における π- p→ϕn 反応の全反応断面積から散乱パラメータが決定できるかについて発表する。