"We take a brief look at some of the important papers of lattice QCD
studies of diquarks. We will then change to our recent lattice QCD
studies of diquarks by using an extended HAL QCD's potential method. We will finally make a comment on the relation among these studeis."
"ハドロンの内部構造を理解する上で便利な指標として複合性が議論されている。複合性は、粒子状態を複合状態と素粒子状態の重ねあわせとして書いたときに、粒子状態の割合として量子力学的に定義される。本講演では、我々のグループで定式化した散乱振幅を用いた方法[1]についてその有用性と問題点を解説する。その後、本方法における最近の進展[2]について議論を行う。
[1] T. Sekihara, T. Hyodo, D. Jido, Prog. Theor. Exp. Phys. 2015, 063D04 (2015).
[2] Z. Yin, D. Jido, arXiv: 2312.13582 [hep-ph]."
複合性および素粒子性と呼ばれる量を用いて、包括的にエキゾチックハドロンの内部構造を議論する方法が提唱されている。その際、裸の素粒子状態は直接観測できないため間接的に複合性を計算する必要があるが、その計算手法はいまだに確立していない。本研究では、束縛状態に加え、素粒子状態が影響しない低エネルギー領域での散乱の情報を用いることで、複合性の下限を与える手法を提唱する。そして、HAL QCD法で計算された束縛状態および散乱データから、上の手法を用いて複合性の計算を行う。
ハドロン間相互作用を研究する手法として,近年HAL QCD法は一般に信頼に足りる方法として確立された.実際,核力ポテンシャル計算などで成功を収めており,今後発表されるであろう数値計算の結果や,計算手法自体の改良も期待される.しかし,Lambda1405を束縛状態に持つKbarNダイナミクスなど,一部のハドロン間ポテンシャルを計算した場合には原点周辺で特異な振る舞いを示す.本研究では,HAL QCD法によるこのような振る舞いの原因を明らかにするため,ハドロン間相互作用の有効模型でNBS波動関数を計算し,HAL QCD法のポテンシャルと比較する.
近年の高エネルギー実験において散乱の閾値近傍にエキゾチックハドロンが多数発見されていることから、閾値近傍状態の内部構造の研究が盛んに行われている。しかしそれらの研究では、強い相互作用より弱いクーロン力は無視されることが多かった。一方、閾値近傍の低エネルギー領域では、クーロン力の寄与が重要であると期待される。我々は、短距離力とクーロン力が共存するs波散乱の閾値近傍状態の内部構造を解明することを目標とする。有効場の理論モデルによる低エネルギー散乱理論を用い、クーロン力が引力と斥力両方の場合の固有状態を記述する。固有エネルギーのクーロン散乱長依存性を調べた結果、クーロン斥力では束縛状態と共鳴状態は連続的につながる一方、引力の場合は両者が連続的につながらず、共鳴状態はvirtual状態とつながることを示した。さらに、波動関数におけるハドロン分子状態の重みである複合性を計算することで、クーロン...
We examine a pattern of dynamical chiral symmetry breaking making use of the vacuum energy density as a function of the quark condensate. We compute the vacuum energy density and the quark condensate in the interacting instanton liquid model (IILM) with three-flavor quarks, which is a phenomenological model to describe the QCD vacuum. These computations are performed by using a numerical...
Hierarchical structures in quantum many-body systems often involve phase transitions and crossover phenomena in the intermediate regime. To understand their microscopic mechanisms, we discuss one of the most famous crossover phenomena in many-body physics, that is, Bose-Einstein-condensate (BEC) to Bardeen-Cooper-Schrieffer (BCS) crossover, realized in ultracold atoms. Moreover, the three-body...
"カイラル対称性の自発的破れは、QCDにおいて特徴的な物理の一つである。カイラル対称性の破れは、有限密度では対称性の部分的回復が起こることが示唆されている。部分的に回復した相において、どのような物理が繰り広げられているかはとても興味深い。しかし、標準模型におけるQCDでは、漸近的自由性のため低エネルギーでの摂動展開が難しいとされている。そのため、カイラル対称性の自発的破れを調べるためには、摂動展開以外のアプローチが必要である。
線形シグマ模型は、ハドロン有効模型のうちの1つである。その特徴としては、ハドロンの自由度を持っていることや、Landau理論などに類推される4次型のポテンシャルによって自発的対称性の破れを記述できることなどが挙げられる。これまで、線形シグマ模型はさまざまな解析がすでになされている。[1]の先行研究では、考えられる4次までの相互作用を導入する拡張を行っている。...
We study theoretically the semi-exclusive (p,dp) and (pi,pp) reactions for the formation of the eta(958) mesonic nucleus formation. The semi-exclusive measurements with the protons from eta(958) non-mesonic two-body absorption (eta(958)NN—>NN) are found to be quite important for the eta(958) bound state observation. We report the recent theoretical results.
The polarization of Xi- hyperons obtained from the (K^-, K^+) reaction provides crucial insights into the underlying reaction mechanism. In the absence of an S=-2 meson, there is no t-channel Born-term diagram in the (K^-, K^+) reaction. The forward-peaking differential cross-sections for the (K^-, K^+) reaction require high-spin hyperon resonances in the s channel and box diagrams involving...
"The hyperon puzzle of neutron stars refers to the problem that most of the equations of state with hyperons are not sufficiently stiff to support the observed massive neutron stars. One promising solution to the puzzle is that the three-body forces between a hyperon and medium nucleons produces such strong repulsion that Λ’s do not appear in neutron stars. The Λ single-particle potential [1]...
We present a novel unified approach to describe the dense symmetric nuclear matter by combining the quarkyonic matter framework with the parity doublet model. This integration allows for a consistent treatment of the transition from hadronic to quark degrees of freedom while incorporating chiral symmetry restoration effects. Our model introduces a chiral invariant mass for both baryons and...
"I would like to review a recent study on the structures of unstable nuclei and hypernuclei with cluster-orbital shell model (COSM). In light unstable nuclei, neutron-rich and proton-rich nuclei are investigated about their ground states and the excitation mechanism.
In hypernuclei, we recently predict many states of neutron-rich Lambda hypernuclei. In these studies, resonances are described...
"$\eta^{\prime}(958)$ meson has an exceptionally large mass compared with the other light pseudo-scalar meson nonets. The origin of the large mass is considered to have a close relation to the chiral symmetry breaking and the axial U(1) anomaly in the QCD. In a nuclear matter, where the chiral symmetry is partially restored, a mass reduction of an $\eta^{\prime}$ meson is predicted by several...
核媒質のような高バリオン密度環境ではカイラル対称性が部分的に回復しハドロンの性質が変化すると考えられている。特にη'メソンはU_A(1)アノマリーとの関係を通して大きな質量減少が生じる可能性が多くの理論モデルにより指摘されている。LEPS2/BGOegg実験では高分解能電磁カロリメータを用いてη'→γγ崩壊の質量スペクトルを測定し、原子核中でのη'質量変化を直接捉えることを試みる研究を行っている。本講演では、2015-2016年に行ったPhase-I実験における炭素標的データの解析状況と、現在進行中のPhase-II実験の状況について報告する。
"ハドロンとは、強い相互作用をする粒子の総称である。陽子やπ中性子などは電荷を持っているため、強い相互作用に加えてクーロン相互作用が働いている。強い相互作用に比べてクーロン相互作用の束縛エネルギーは1/1000程度であるため、通常は無視して扱うことが多い。しかし近年の実験では、Χ(3872)の束縛エネルギーが40keV程度であることがわかっている[1]。これは他の多くのハドロンに比べて極端に小さく、クーロン相互作用の影響を考慮する必要があることを示唆している。
本研究では、井戸型モデルを用いて、クーロン相互作用を無視できない場合の束縛状態を考える。今回は、幅bの引力井戸型ポテンシャルの束縛解に引力のクーロンポテンシャルを追加した時の束縛エネルギーの変化を数値的に調べる。結果から、クーロン相互作用によって束縛エネルギーBが増加することがわかる。また、強い相互作用だけでは束縛解が存在し...
"LHCbでccbarを含むPcペンタクォークバリオンがJ/ψ pチャンネルで観測された。このPc
の内部構造は、分子状態なのか空間的にコンパクトなマルチクォーク状態なのかはまだ明らか
ではない。チャームセクターに加えてストレンジセクターでも同様な状態が期待され、これらの
状態の統合的な理解でグルーオンのダイナミックスに対する知見が得られる。
そこでssbarを含むペンタクォークバリオンPsを観測するため、入射エネルギー1.6-2.4 GeV
で重水素標的でのφメソン光生成反応の断面積をSPring-8のLEPS施設で測定した。
終状態粒子K+K-pnのうちK+K-pを前方磁気スペクトロメータで検出し、中性子は欠損粒子
として同定し、φp不変質量分布で2.1GeV付近にピークが表されると期待されるPsを探索した。
本講演では、これに関する解析を報告する。"
"Quarks and gluons (collectively called partons in the high energy regimes) are fundamental degrees of freedom of QCD and are deeply confined in hadrons and nuclei. Their connections are mapped into parton distribution functions (PDFs), which can be extracted from QCD global fit to experimental data. Meanwhile, the emergent hadronization of partons is encoded in fragmentation functions (FFs)...
QGP物理や重イオン衝突を使ったハドロン物理に関する最近の動向と今後の展望に関して議論します。