Speaker
Toshikazu HASHIMOTO
(RCNP, Osaka University)
Description
核子からの中間子光生成は、バリオンの構造とその励起スペクトルを理解するための重要なツールである。特に高励起状態が数多く存在する領域では、多重中間子光生成反応の重要性が増している。この反応ではΔ(1232)3/2+やN(1535)1/2-といった中間状態を経由する共鳴の連続崩壊を扱うことができる。このような過程を理解するためには微分断面積だけでなく偏極観測量も測定する必要がある。
BGOegg Phase-II実験ではほぼ全立体角を覆う電磁カロリーメータを用いて中間子の崩壊で生じる光子を全て捉えることで多重中間子光生成反応を同定することができる。また直線偏光光子ビームを用いて偏極観測量の測定を行う。
本講演では来年度行われる予定の液体水素標的を用いたBGOegg Phase-II実験について報告する。