趣旨:
強い力で相互作用するハドロンは、従来、クォークと反クォークからなる中間子、3 個のクォークからなるバリオンといった、高々 3 個のクォークからなる状態と考えられてきた。しかし、最近の実験的進展により、4 個以上のクォークからなるエキゾチックなハドロン --- 4 個のクォークからなる Tcc 状態、5 個のクォークからなる Pc 状態、6 個のクォークからなるダイバリオン d* 状態など --- がここ数年で次々と発見されている。これらエキゾチックハドロンの内部構造を解明することは、クォークの動力学である QCD の非摂動現象を対象とするハドロン物理における喫緊かつ重要な課題の一つである。とくに、非摂動 QCD を直接解くことは極めて難しいので、エキゾチックハドロンの正体を明らかにするには、ハドロン実験とその理論的解析、そして格子 QCD シミュレーションの連携が必須となる。
本研究会では、実験データ・反応計算・構造計算・格子 QCD シミュレーションをシームレスにつなぐことを目指して、実験・理論双方の参加者を募り、ハドロン分光と関連する最新の話題に関して、幅広い視点から検討・議論を行う。
招待講演者 (敬称略):
J.K.Ahn (Korea University)
原田 融 (大阪電気通信大学)
橋本 直 (原研)
板橋 浩介 (KEK)
神谷 有輝 (Universitat Bonn / 理研)
金田 雅司 (東北大学)
Yan Lyu (Peking University / 理研)
七村 拓野 (京都大学)
瀧澤 誠 (昭和薬科大学)
山田 廉仁 (東京大学 / KEK)
吉田 数貴 (原研)