Speaker
七村 拓野
(京都大学)
Description
Σ-核子相互作用はクォークレベルでのパウリ効果との関係が深いと考えられている。特にΣ+粒子と陽子の間の相互作用は、パウリ準禁止状態であり強い斥力が働くと考えられている状態を直接調べることができるため、バリオン間相互作用におけるクォークの役割を調べる上で重要なチャンネルである。
J-PARC E40実験は高統計のΣ±p散乱データから高精度の散乱微分断面積を測定することで、Σ+p間の強い斥力の検証とΣN相互作用の系統的なデータを得ることを目的とした実験である。データ取得は2018年から2020年にかけて行われ、現在までにΣ-p弾性散乱、Σ-p→Λn非弾性散乱、Σ+p弾性散乱に関する解析結果が発表されている。
本講演では、J-PARC E40実験及びデータ解析に関する概要、および得られた結果を紹介する。